2012年1月30日 (月)

「東コレは多摩川のバーベキューか」

「WWD」本日付のvol.1672、「ファッションはニュースだ!!!」。斎藤和弘さんとWWD編集委員の三浦彰さんによる、ずばずばとファッション界の核心をつく対談の連載で、毎号、楽しいというかコワ面白い。その第18回めにあたる今日の「『坂の上の雲』と『川原でバーベキュー』」の話が、とりわけ興味深かった。

話題の本、『絶望の国の幸福な若者たち』の話から始まる。日本はこのまま沈没していくけど、若者はフリーターやりながら週末に仲間と川原でバーベキューやれたら幸せ、みたいな論調はどうなんだ、と。

現代の20代の「川原でバーベキュー」派に対して、幕末や明治の若者は、視野を世界に向けて野望を追いかけた「坂の上の雲」派。現代の若者は、サッカーや野球、金融業界などに多い「坂の上の雲」派と、「川原でバーベキュー」派とに、真っ二つに分かれている。

で、ファッション業界の若者はと言えば…。

「三浦: 追いかけないよな。パリコレに出たいとか誰も思わなくなってるんじゃないの。東コレの仲間うちでワイワイ楽しく騒いでさ、同じだよ、川原でバーベキューしている連中と(笑)。東コレは多摩川のバーベキューか」

ぐさっとくるような表現かもしれないが、たぶん、当たってるんだろうな。

でも、ファッション業界であってもビジネス系は「坂の上の雲」を見ていると斎藤さんは指摘。さらに、高い志を抱くのは地方の人であることを三浦さんは指摘。ユニクロの柳井正氏は山口、アイジーエーは福井、ポイントの福田三千男氏は水戸、パルの井上(英隆、隆太)氏は大阪、そしてクロスカンパニーの石川康晴氏は岡山。

「斎藤:地方からは『坂の上の雲』が見えるけど、多摩川の川原から『坂の上の雲』は見えないってことかな」

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2012年1月29日 (日)

ダーツとプリーツとピンタックとギャザーの違いがわかるか?

移動の途中に見始めた「スタイリスタ」というアメリカのテレビドラマ。「サライ」前編集長の河内さんが、絶対面白い!とのお墨付きで送ってくださった(ありがとうございます!)のだけれど、第2話まで見て、完璧にハマる予感。アメリカとカナダで放送されたのが2008年らしいが、古い感じはしない。

「ELLE」編集部で編集者として働きたいという野望を抱く若い人が11人。毎回、課題が出され、一人ずつ「落第」者が脱落していくという、ファッション界の熾烈なサバイバルドラマ。「プラダを着た悪魔」の世界を、さらに具体的に、生々しく、リアリティ番組にしてみせた感じ。H&Mの服がたくさん出てくるし、勝ち残った人にも一年間H&Mが提供されるというから、スポンサーとしてこの会社がついてるのかな?

課題がまた興味深くて、たとえば、30分以内に「ニットでウォーヴンで、エンパイアウエストでピンタック、セットイン・スリーヴでダーツがあってファネルカラー」のコーディネイトを作れ、とか。なんじゃそれ?と言ってるようではファッション誌の編集者にはなれないのですな(笑)。

グループごとにつくる編集ページの審査もスリリングで、およそあらゆる雑誌の編集者はこの審査の場面だけでも見るべきなんではないか?(具体例を通じた、刺激的な勉強になる)と思ったりもして。

おそろしいのは、このコンペティターが全員、同じ宿舎で暮らし、むき出しの敵意や悪意もさらけ出しあうこと。ドラマだからだとは思うけれど。毎回、脱落者が去っていくシーンで終わるというのも、後味がよいわけではない。

でも、そんなこんなの苦さも含めて、続きを見ずにはいられなくなる。

Stylista

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2012年1月28日 (土)

「かっこよくない」制服の魅力

矢口史靖監督「ロボジー」。丁寧にやさしく作られた、ウェルメイド系ドタバタコメディ。ところどころご都合主義で、予定調和の笑いの世界ではあるけれど、そういう世界にはそういう世界なりのよさがある。不快なところがどこにもなくて、とりわけ木村電気のダメダメ窓際社員3人に癒されました。色気を徹底的に配した木村電気の制服がなんともいい味わい。「かっこよくない」制服のよさというものを再認識。DOMO ARIGATO。

Robojie

ロボット爺さんの五十嵐信次郎ってミッキー・カーチスだったのですね。主題歌のMr.Robotをカバーしているのが「五十嵐信次郎とシルバー人材センター」。なんともニクい感じ。いま朝日新聞も「シルバーモデル」の記事を連日掲載している。芸能界やモデル界って、潜在的なシルバー人材の宝庫なんだろうな。

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2012年1月27日 (金)

「ふつう」はないNYファッション業界

ダイアン会長がらみでもうひとつ。CFDAは、今シーズンの「ヘルス・イニシアティヴ・ガイドライン」を発表。2007年から出されているもので、毎シーズン更新されているらしいが、あんまり解決になってない(業界内の誰も従ってない)と見える…。気になった部分だけを大雑把に抜粋。

・摂食障害がいかにして起きるか、その症状、治療法などを学ぶワークショップをおこなうこと。

・16歳に満たないモデルを雇わないこと。撮影やフィッティングにおいて、18歳に満たないモデルを真夜中過ぎまで働かせないこと。モデルの年齢をIDで確認すること。

・喫煙やタバコの害に対する認識を高め、バックステージではそのような影響のない環境を保つこと。成年に満たないモデルにはアルコールを禁止すること。

逆に透けて見えるのが、モデルの若年化や拒食症、飲酒・喫煙などの問題がいかに広がっているのかということ。真夜中過ぎまで仕事するクレイジーな業界の内情。

若すぎやせすぎのモデルばっかり、という事態の反動みたいに「プラスサイズ」のふくよか(すぎる)モデルがヌードになってみたりとか。なんだかアメリカは極端。「ふつう」の中年モデルはいないのか。「ふつう」だと誰も関心を抱かない、というのはわかるけど。

↓CFDAの発表全文。

http://www.cfda.com/health-initiative-guidelines-updated-by-the-cfda/

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2012年1月26日 (木)

「赤いソール」裁判、第2ラウンドへ

ルブタンとサンローランの「赤いソール」をめぐる裁判は、まだ終わってなかった。

今週の火曜日(24日ですね)、CFDAの会長でもあるダイアン・フォン・ファステンバーグにつきそわれ、ルブタンが直々にNYの裁判所において訴える、というニュース。

発端は2011年の4月。サンローランがリゾートコレクションにおいて、ソールまで真っ赤な靴を発表したところ、ルブタンが商標権の侵害だとして訴えた。

ルブタンの弁護士は、「ルブタンの赤いソール」は「ティファニーのブルーボックス」と同じように、トレードマークとなっており、これが守られるべきだと主張。

が、サンローラン側の弁護士は、「オズの魔法使い」でドロシーがはいたルビーレッドの靴や、ルイ14世の赤いハイヒールなどの「前例」をもちだし、赤いソールはルブタンの独創ではないことを主張。

判事ヴィクター・マレッロは、ルブタンの訴えを退けていた。(ラウンドワンはルブタンの負け)

これで終わったわけではない。

今月はじめ、YSL側は、第2ラウンドに備え、11人の法律の専門家の支持を集める。「創造と競争の自由を守るために、ルブタンの訴えは退けられるべき」と。

ルブタンはルブタンで、「赤いソールはとてもパーソナルなもので、私の人生と、20年かけて築き上げた私の会社の本質にかかわるもの」という姿勢を崩さない。

YSL側は強力なプロフェッショナル弁護陣で備え、ルブタンはNYファッション業界の大物を味方につけて闘う。さて判決はどう出るのでしょうか。

↓ テレグラフの記事。

http://fashion.telegraph.co.uk/news-features/TMG9039046/Christian-Louboutin-and-Diane-von-Furstenberg-take-on-the-New-York-courts.html

↓ Fashionista.com の記事。ルブタンの言葉が「WWD」から引用されていますが、このサイトは有料なので、無料で読めるこっちをご紹介。

http://fashionista.com/2012/01/diane-von-furstenberg-sides-with-christian-louboutin-at-louboutin-vs-ysl-court-hearing/

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